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「フリーライダー あなたの隣のただのり社員」を読んで。 [読書ノート]

日本は相当暑い様子ですね。昨日まで日本に住む友人が香港を訪れてしましたが、昼間は香港の方が快適ではないかと言っていました。冗談抜きに、今年のお盆休みは避暑に香港へ行く・・・という事が起きるのでしょうか。ただ、香港は気温が上がらない分、湿度が本当に高いです。午後9時現在で気温29℃に湿度85%で、お世辞にも「快適」とは言えませんが・・・。

フリーライダー あなたの隣のただのり社員 (講談社現代新書)

フリーライダー あなたの隣のただのり社員 (講談社現代新書)

  • 作者: 河合 太介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/06/17
  • メディア: 新書

さてさて、今回、その友人に日本語の本を持ってきてもらったので早速読んでみました。今日はそれらの本の内、『フリーライダー あなたの隣のただ乗り社員』を紹介します。著者はダイヤモンドオンラインで連載記事を書いていて、記事の内容が興味深かったので実際に本を買ってみました。http://diamond.jp/category/s-freerider

作者は社員の負の感情を誘発する社員についこの様に語っています。(「自分は楽をしながら、他の人の努力や会社にぶら下がって、もらうものだけはちゃっかりもらっていく――。それが「タダ乗り社員」だ。) 正直、この様な社員についてどうすれば良いのか頭を悩ませていた所でした。作者が書くタダ乗り社員の4類型等、「あ~これこれ」と本を読み進めながら、思わず声を上げていました。

この本の構成は「タダ乗り社員」が発生する理由、タダ乗り社員の4類型とその類型毎の対応策を書いて、読者の関心をひっぱっています。思わず、「そうだよな~。そうだよな~。」と頷いてしまいます。ところが、その後で個人としての対応策が書いてあります。「タダ乗り社員」問題は自分の視点が常に他者に意識が向いているのですが、一方では自分の周囲から見れば「自分自身の振る舞いに相手がどう感じるか。」という事がポイントになる・・・、言い換えれば「自分がタダ乗り社員」と受けとめられている可能性があると著者は読者に対して投げかけをしています。この視点に思わず「あれ?大丈夫だっけ・・・」と自分の振る舞いについてしばし自省してしまいました・・・。

「タダ乗り社員」の問題は、組織文化や人事評価システムに大きく左右されてしまうとは言え、結局は自分自身の意識に左右されるのではないか・・・と私は受けとめました。耳が痛い所ですが、本質をついている気がします。皆様も是非お読みください。

『組織の不条理』を読んでみました。 [読書ノート]

今日の香港は晴れわたり、湿度も上がらず本当に気持ち良い春の陽気となりました。

ところで最近、『組織の不条理』という本を読みました。この本は「新制度派経済学」と呼ばれる経済学の視点で旧日本軍の戦闘行動に注目し、なぜ日本軍が不条理な作戦を行ったのか分析したものです。旧日本軍の不条理な行動として良く言われるのは、第2次世界大戦での「ガダルカナル島戦」と「インパール作戦」です。これらは非合理的に日本軍が意思決定を行った為に起きたと言われています。しかし本書のアプローチは、「日本軍が合理的な判断を下した為に起きた悲劇。」としています。非常に新しい視点ですよね。

組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

  • 作者: 菊澤 研宗
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本

防衛大学の教授であり、筆者である菊澤 研宗氏は、「すべての人間は情報を得る能力は限定的で、意図的に道理的にしか行動できない限定合理的な存在である。そのため人々は相手の不備につけ込んで悪徳的に自分の利益を追求する傾向がある。」としています。その前提を基に、「取引コスト理論」、「エージェンシー理論」、「所有権理論」の3つの理論で不条理が発生した「ガダルカナル島戦」と「インパール作戦」と不条理を回避できた「硫黄島・沖縄作戦」と「ジャワ軍政」について説明しています。筆者がプロローグでも書いていますが、「取引コスト理論」、「エージェンシー理論」、「所有権理論」の説明を行っている第3章は判りにくい部分もあるため、第4章以降を先に読んでから第1章~第3章を読んだ方が理解が早そうです。

読んでみての感想は、非常に判りやすい本で説得力があると思いました。また、どの組織においても 「ガダルカナル島戦」と「インパール作戦」の様な状況は起きうると感じました。ただ1点腑に落ちなかったのは、「インパール作戦」の際の現場のトップで、モラルハザードを起こしうると周囲が認識していた牟田口中将がどのような理由で選任され、選任後もどうして現場から排除できなかったという点です。

というのも、インパール進行の為の部隊編成が南方方面軍によって意図的に遅らされていたと本書には記述があり、このことから日本陸軍内では作戦の実施自体が疑問視していたという事と、作戦司令官として牟田口中将は適切ではないと認識していた様に受け取れます。これは牟田口中将の部下にとっては、陸軍上層部に現状を報告する事がリスクが高い行為であった(うまくゆかなかったら何をされるか判らない。)と想像されます。その為に陸軍上層部に限られた情報しか入っていないという状況が生まれ、上層部は問題無いと認識していたのかもしれません。もしそうであれば、日本軍は人事システムや組織の運営方法に致命的な問題を抱えていたかもしれず、この問題についても分析がされると良いと思いました。

この本を読んでみて、「うちの会社は日本軍の状況そのままじゃん。」と思う事があるかもしれません。そうだとしたら、そんな不条理が発生するのを避けるためにはどうすれば良いか、自分なりに考え、行動してゆく必要があるのかもしれません。その意味で、本書を一読する事をお勧めします。尚、最近文庫本版として『組織は合理的に失敗する』という本も出ていますので、こちらを読むのも良いかもしれません。

組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

組織は合理的に失敗する(日経ビジネス人文庫)

  • 作者: 菊澤 研宗
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/09/02
  • メディア: 文庫
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それでも、日本人は「戦争」を選んだ [読書ノート]

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

  • 作者: 加藤陽子
  • 出版社/メーカー: 朝日出版社
  • 発売日: 2009/07/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 
 
 
 
検察と小沢民主党幹事長とのせめぎあいが続いていて、いつの間にか、永住外国人参政権問題がどこかへ行ってしまいました。ただこんな時こそ、どさくさに紛れてという事もありますので、しっかりと状況を見定める必要があると思います。
 
ところで、昨年日本へ一時帰国した際に購入した「それでも、日本人は戦争を選んだ。」を先週読みました。必要な所をさらっと読もうと思っていましたが、結局、一文字一文字きっちり読んでしまいました。
 
この本は筆者である加藤陽子東京大学大学院教授が、2007年の年末からお正月にかけて、神奈川の栄光学園で高校生に対して行われた講義を基に書かれています。「戦争という物の根源的な特徴を抽出をしたかった。」と加藤陽子氏が最初に書いていますが、その狙いは達成できたのではないないかと思います。
 
また、この本で紹介されている様々な資料に対して筆者が一つ一つ解釈を行った結果、その当時に一般的であった考え方やその時の経済的な指標、歴史上の人物が行った行動とは裏腹のその人物の意識等が見事に浮かび上がり、その時に決定された行動の必然性であったり背景が理解できる様になっていると思います。
 
個人的には、満州事変前後を扱った第4章がこの本で一番面白かったです。満州事変から国際連盟を脱退し孤立化へひた走っていった背景には、軍人・政治家、そして日本国民の意志があり、同時に国民を煽った勢力が居たと読めました。(間違っていたらすいません。)そして、同時にこれは日清戦争から第一次世界大戦までの一連の流れがあり、満州事変単体で切り取って判断するのは適切ではないとも思いました。
 
最後に驚くべきは、この講義の時の栄光学園の生徒たちの受け答えです。ある程度、歴史に関心のある生徒が自主的に集まったのでしょうけど、私が高校生の時、こんな回答ができたのだろうか・・・。色々な意味で驚く事が多い本だと思います。是非、お読み下さい。
 
 
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